RHCP16年ぶり単独来日公演によせて

 

 レッチリ来日が16年ぶりだと!? そんなわけあるまい、と思われるかもしれないが、フェスを除くと本当に16年ぶりになってしまうのです。マジか……

 思えばあの時(前回の単独での来日)はアンソニーの体調不良だかなんだかで一旦延期になり、私はスケジュールの都合つくかどうかわからんなあ……などと言いながらとっていた東京公演チケットを一枚払い戻し(※東京は2daysだったんです)、みたいなことをやったので東京ドーム1日だけの参加であり。その後ジョンが脱退したりなんだりしたので、なんで一日しか行かなかったんだこのスットコドッコイが! と己を罵倒しつつめちゃくちゃ後悔したのですが……
 こら! そこのにんげん! 都合つくかどうか……みたいな理由つけてないで行っとけ! あたまを空っぽにしろ!
 ……というのが今回おもに言いたいことです。
 もしかしたらそれが最後の機会になるかもしれんのや。我々は自分が明日も元気で生きていると根拠もなく信じているが、そんな保証などどこにもないのだ。迷わず行け! ……自分だよ!

 そこまで考えて、ふと思ったことが。もしかして私はバンド運が結構悪いのではないか? ということです。
 そんなことを考える方がどうかしているのは分かっているのですが……。だいたい運が悪いってなんだ、失礼じゃないか(私が好きなバンドに。そして彼らを愛する人々に)。単なる巡り合わせに過ぎない。と、理性はそう言っているが、思いついてしまったのでこれはもう仕方がないですね。
 聞いてください、オレの歌。(と、おもむろにアコギを抱えて)

 思えば最初の不運はユニコーンを愛したことであった。角のついた馬のようなあの架空生物のことではない。ジャパニーズコミックバンド、奥田民生とかがいるあのユニコーンです。今は元気に活動中なんですが。
 振り返ればあれが私にとっての最初の『(リアルタイムで活動中だった)好きなバンドの解散』であった。バンドは永遠ではないのだ、という当然なのだがあまり直視したくない気づき。しかしフロントマンの突然の死とか以外の理由でバンドが消滅する、という体験に当時の私はまだ慣れていなかった。いや、フロントマンが突然死ぬ方にも慣れていなかった。とにかく解散に慣れていなかった。
 なんでよ、と立ち尽くすことしかできなかったし、私の中で音楽の世界(日本)ごと色彩を失ったところもちょっとだけある。好きなものへの興味を中心に全体への関心を構成していくところがあったのかもしれない……と大昔の自己分析をしても仕方がないんですが。なお、民生せんせいはずっと聴いていたし今も大好きですよね。刷り込みみたいな要素があるのは否定しない。
 とにかくバンドの永続性というものが信じられなくなった(いや、もともとそんなものはないのだが)し、なんでB'zとかミスチルとかGLAYを愛さなかったのか。ばかやろう。しかし仮に私がそれらのファンだった世界があったと仮定して、するとやっぱり当該バンドがいきなり解散する世界が展開されたかもしれない、と考えると行き着くところは同じではないか。……オイなんてことを言うんだ。そんなパラレルワールドは嫌なんだよ。そしてB'zはバンドというかユニットだよ!

 ……RHCPに話を戻そう。その後ジョンが脱退し、ジョッシュが加入して、とか心臓に良くないイベントが発生し、我々(誰)みんな心は千々に乱れたわけなんですが、それでもこうしてジョンが戻ってきて16年ぶりに単独があるわけで……しかしなんだねこれは当時より2倍くらいチケット高いな!? S席こないだのポールマッカートニーより高いわ! 歳はとったが富豪になったわけではないからな?(現実の厳しさ)

 ここでさらに思い出したことがある。オアシスのこと。私は別にオアシスのファンではないので大丈夫、って今までの流れから言って全然大丈夫ではない……。

 そもそも私のオアシスへの目線はおもしろウォッチャーとしてのものであった。見てて面白いじゃん、あの兄弟……好きの気持ちで見ていると絶対疲れるので、私は別に好きではない、ウォッチャーだからね! と半笑いで眺めていたつもりであった。が、深淵を覗くものはなんとやら、深淵を覗くのをやめろ。つまり、なんだ、その、情がうつるっていうか、アレだ、……好きってことさ。

 そんなわけであの兄の電撃脱退からバンド消滅に至るまでのグダグダを、私たち一体なにを見せられてるの……とか言いながら見ているあいだ、顔に半笑いみたいな表情を貼り付けながらも(己のことゆえ主観的にしか見られないのですが)私はたいそう可哀想な子であった。完全に打ちひしがれていたじゃないですか。……だから言ったのに、深淵を覗くな。

 思ったより長くなってしまった……この歌続けていいでしょうか……。(アコギを構え直しながら)

 (その後追記)公演まで1週間を切ってもまだチケットを発券していないので、ぴ◯から早く発券しなさいよメールが来ているのですが、紙発券して当日が来る前に無くしたらどうしよう……などと考えると気が進まないんです。無くしたらおしまいなのどうにかしてほしい。紛失補償に五百円くらいなら払ってもいい……(五百円しか出せんのか)。
 だいたいチケット確認も目視とかスタッフさんも大変じゃないんか、バーコード読み取りにしたらええやんけ。そうすれば紛失時も前のID無効にして再発行すればいい……んだが、処理タイミングでシステム死にそうだな。死にますよね……しかも最悪のタイミングで。やっぱやめ……(そもそも失くすんじゃない)。

 ところでフーファイターズの話ですが、……いやちょっと待った、この件まだ全く心の整理がついてなくて、今年フジに来るんですがどうも……。
 正直去年からずっとしばらくそっとしておいてくれ……、みたいな気持ちのまま暗い目をするばかりだったので(なんならこれ書いてる今も暗い目をしている)、この判断さえも(どのような選択をするにしても)未来の自分を殺す可能性があることに気付いてしまって、オレは(と俯いてギターをじっと見つめる)。

 暗い目になってる場合じゃないな! と思い出させてくれたという意味でこの来日公演には私にとってただの来日公演以上の意味があります。正直、かなり感謝している。私はまだやれる。……何を?というのはさておき。

 生きていればなんとかなることもあるし(復帰も再結成も実際に見てきた)、なんとかできるのは生きてるやつだけです。そんなことわかっていたつもりだった、私はほんとうに愚かでした。悲しいなあ。
 そもそもライブアースでフーファイめっちゃくちゃかっこよかったから、みたいなのがきっかけだったんですよ。ねえ昔あんなんじゃなかったやんニルヴァーナの頃さ。ヒゲなかったしな……ウン、ヒゲ最高だな……という、ライブアースの思い出。レッチリは昼の時間帯に出てたので、完全にその流れで見たというつながりがあります。縁は奇なものです。偶然ロン毛ヒゲを見てしまうという縁(なんだそれ)。

 つまりチャンスの神様前髪三本、またの機会にとか言ってると泣くはめになる。後悔のない人生などないが、その後悔にもいろいろな種類がある。基本私はあまり後悔をしないんですが、それ単にあんまりものを考えてないからですからね。

 さて、ぼちぼちチケット発券してきます。こんな取り止めのない歌を聴いてくれて本当にありがとうございます(お辞儀)。東京ドーム行く方も城ホール行く方もともに楽しみましょう。
 そしてできたばかりのころ、東京ドームってビッグエッグって愛称だったよな、ということを唐突に思い出しました。ビッグエッグとはなんだったのか。